温故知新ブログ

大学生の読書日記・勉強日記

『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編』を温める③

どうも、温故知新ブログです。

 

昨日の日経で「見えない資産」に注目をとの記事がありました。その中でGDPでは無形資産を捕捉しきれないとの記載があり、ああせっかく(数日間で笑)学んだことも変わってしまうのかと戦々恐々としております。

 

さて、今回は『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編』を温める③ということで、本書の最終回です。このブログでは本の要約というより、私の勉強のアウトプットの意味合いが強いので気になったり印象に残った点を書いていきます。

 

 貿易の意味

国際的な金融危機防ぐ手段

 

まず貿易の意味について。世界的に生産力の差は少なからずありますが、そうでない場合も多々ありこの場合も貿易は行われています。つまり比較優位や絶対優位が成り立たない場合でも貿易には意味があるということです。本書では規模の経済を軸に4つのメリットが挙げられていました。1つ目は小国でも規模の経済を活用できる点です。もし国内だけで経済活動が完結してしまうと限られた需要に合わせ供給(生産)しかできませんが、国外に対しても経済活動が広がれば大量生産による規模の経済が働きます。2つ目は種類が豊富になることです。国内だけの市場だと企業は規模の経済を働かせるために種類を限定して生産します。国外から輸入すれば様々なニーズを解決することができます。3つ目は一つの産業の中でより高度な分断が可能になることです。一つの商品を作る際にも多くの部品が必要で、それらの生産にも規模の経済が働くので、多国間で生産した方が良いというわけです。4つ目は知識やスキルの伝達がうながされる点です。本書ではトヨタの「かんばん方式」と呼ばれる管理手法が例に挙がっていました。

高校時代に習ったリカードの比較優位から、貿易によってそれぞれの国が得意な領域にコミットして他を国外から補っていると思っていました。本書を通じてそれだけではなく、むしろ生産力が変わらない場合でも貿易の意義があるということは新たな発見でした。

 

次に国際的な金融危機と防ぐ手段についてです。1990年代にメキシコが借金を返せなくなったり、アジアの通過暴落による金融危機が起きました。この国際的な金融危機はなぜ起こるのかというと、国際的な金融資本の流入が大きくなり、為替レートが不安定になり金融システムが破綻、政府が借金を返せなくなるという事態が起きます。またこうした事態に陥る国の傾向としてGDPの大幅な下落があるそうです。そしてこの金融危機を防ぐには、入ってくるお金の種類を把握しておくことが大切です。具体的には「直接投資」と「証券投資」です。前者は工場や企業を買う投資で、後者は債券などの金融商品を買う投資です。両者を比べた際に直接投資の方が資金の流出が起こりにくいという特徴があります。なぜなら工場や企業は簡単には売りにくいからです。直接投資を増やしていくことがベストなやり方だとしています。

この金融危機については今まで勉強してきた内容を総合したテーマだったのであやふやな箇所は該当ページに戻りながら時間をかけて読みました。(その点において印象的でした)

 

 

 


 

以上でこの本を読了したわけですが、経済という普遍的な枠組みの中で非合理的な人間による行動を統制するための学問だという当初のイメージはガラリと変わりました。市場原理では説明できないことも多々あり(本書にも記載されていたが)政府や国民の支えがなければ成り立たないということが実感できましたね。まだまだマクロ経済学の表層を駆け足で辿ったに過ぎませんが、これからより深い理解の一助になるなぁと。おすすめです!

 

 

 

以上です!

 

 

 

f:id:onnkotisinn:20200514215218j:plain