温故知新ブログ

大学生の読書日記・勉強日記

『経済は世界史から学べ!』を温める①

どうも、温故知新ブログです。

 

今回は『経済は世界史から学べ!』を温めていきます。以前のスタンフォードシリーズで大まかに経済学を概観したので、今回は歴史という視点から学んでいこうというわけです!

※3回に分けて記録していきます(たぶん)

今回は1章についてです。印象に残った点だけピックアップして書いていきます。

 

 本位通貨から信用通貨へ

日銀の独立性

 

まず本位通過から信用通貨へについてです。「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以ってこれを代えるといえども、まさに行うべし」(貨幣価値は、国家の信用で決まる。瓦礫を貨幣とすることさえできるのだ。)これは江戸時代5代将軍徳川綱吉勘定奉行を務めた荻原重秀の言葉です。当時の日本は金・銀・銅や藩札、米も貨幣の役割をしており、通貨体系は複雑でした。また金銀が枯渇した元禄時代には、幕府の財政が苦しくなり金銀の純度を下げる貨幣改鋳を行いました。そこで冒頭の言葉です。貨幣価値が金銀の保有量で決まる「本位通貨」から政府が通貨価値を決定できる「信用通貨」への転換を表現しています。

以前財政が苦しくなると行われるのが金融緩和であることを学んだので、時代が違えど取る行動はあまり変わらないんだなと感じました。歴史から見て学ぶことは多いと言われますが、こうした例が最たるものですかね。

 

次に日銀の独立性についてです。通貨発行権を国が握ってはならないことが第1章の冒頭に書かれていました。国はことあるごとに大量の貨幣発行を行いインフレになることを繰り返し、大量の銀行が倒産し経済が混乱してきた世界中の歴史があります。よって国は中央銀行を置き独立して貨幣の発行を行うようになりました。ちなみに日本銀行は政府と財閥の共同出資によって生まれましたが、米国の対日貿易赤字の是正のために日銀の独立性を要求されたことで日銀法は改正され日銀は独立しました。1997年のことでした。

まず日銀が独立したのがつい最近であることに驚きました。ざっくりと先進国のイメージからか戦後すぐのことかと。また現在の金融緩和政策も貨幣の発行権を握る主体を国に寄らせているからこそだと想像します。まあ長期のデフレ脱却のためには黒田バズーカしかなかったのでしょう。それでもインフレ率は目標に未達であることを考えると他に打つ手はあるのかと不安になりました。

 

 

他にもお金について価値の根拠から、価値創造までの各国の歴史が端的にまとめられていて面白かったです!次回以降貿易や財政政策も取り上げられそうなので楽しみです!

 

以上です!

 

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