温故知新ブログ

大学生の読書日記・勉強日記

『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編』を温める②

どうも、温故知新ブログです。

 

最近は秀逸な例えに出会ったらメモするのが習慣になりつつあります。どんな例えか?ええ、気になりますよね←

直近で目にしたのを挙げると、

⑴運動をする人のせいで運動をしない人が太る(説得力のないことの例え)

⑵沈没船で船長の椅子を争う(危険下でも一枚岩に慣れないことの例え)

こんな具合です笑

例えって字面だけ見ると具体的ですが、その過程では抽象化が必須なので思考力を深めるのに良い訓練になりそうですね。というわけで(?)本題に進みましょう!

 

今回も『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編』を温めます。第5章から第11章までです。今回も印象に残った点をピックアップして書いていきます。

 

 短期的には総需要、長期的には総供給

失業率とインフレ率

裁量的な財政政策と自然的な財政政策

お金の役割

 

まず短期的には総需要、長期的には総供給についてです。何のことかというと、政策を考えるにあたって時間軸で捉えることが大切だということです。長期では、経済の大きさは総供給によって決まります。しかし短期的には総需要は供給以外の要因で揺れ動きます。景気の先行きに対する不安からくる企業の設備投資控えなどです。

この考えからマクロ経済学が理想とするのは生産力向上による総供給の増加、そしてその収入による総需要の増加とのことです。理想通りにうまくいかないことは分かっていますがそれでも取り得る選択肢やフレームワークを頭に入れておくことは大切だと感じました。

 

次に失業率とインフレ率についてです。両者の関係はトレードオフだとされ、縦軸にインフレ率を横軸に失業率を取ると綺麗な右下がりのカーブを描きます。この曲線をフィリップス曲線と呼ぶそうです。ではなぜこのような関係になるのか。まず総需要が潜在GDPよりも低いときは現在使い得る生産力をフルに使わなくてもいいので失業率は増えます。そして労働力の競争率が高くなるので相対的に賃金が下がり消費が落ち込みます。このような状況ではインフレにはなりません。

(断片的な知識しかなかった)私はスタグフレーションってこれに当てはまらなくね?と思いました。ただこれについても次頁にフィリップス曲線は短期的には成立するが長期的には成立しないとの記載があり、私の思考を先読みされ作者の手の内で踊らされた感覚になったので印象に残っています笑(ちなみに長期的に成立しない理由は失業率は自然失業率に最終的には向かう一方でインフレ率は様々だからだそうです。)

 

そして裁量的な財政政策と自然的な財政政策についてです。これは景気調整のための財政政策には2つがあり、裁量的な財政政策(政府による増税や政府支出の削減)は行われて良いのかというテーマでした。まず自然な財政政策について、これはビルトインスタビライザーと呼ばれ、景気の変動に合わせて変化するように事前にその柔軟性が内包されたものです。例えば所得税は景気が良いと所得が増えるので収める額は増える一方で、景気が後退すると所得が減るので収める額は減ります。これは政府が景気が後退してきたから所得税減らすように動かなくても自然にそのようになります。

こうした自然的な財政政策があることを(正しく)理解していなかったので、ここでいう裁量的な財政政策が財政政策の全てだと考えてました。この裁量的な財政政策は不要であるかについてはこの章では明示されていなかったので、次々章の金融政策と比較しながら考えられるのかなと思いました。

 

最後にお金の役割についてです。「ハッとさせられた」という観点ではこの内容が一番大きかったです。物々交換の時代から複雑化した世界における便宜性等の追及からお金が用いられるようになったことは知っていましたが、お金とは?と考えるとはっきりと思いつきませんでした。

この点について本書ではお金には3つの役割(お金であるための条件ともいえる?)があるとしています。「交換の手段」と「価値の保存」、「価値の尺度」です。交換の手段とは、どんな売り物とも交換が可能であるということです。価値の保存とは、しばらく手元に置いておいても価値があまり損なわれないということです。(「あまり」というのはインフレになるとお金の価値が下がるといったことです。)価値の尺度とは、世の中で売られているもののほとんどが、お金によって計られるということです。

改めてこのように定義されるとお金のどこかぼやけていた輪郭が鮮明になりました。またこのお金の量と密接に関わっているのが(お金の貸し借りをする)銀行で、国の景気を動かそうとすると銀行の融資を調整することがポイントになるとの記載もありました。少し前の日経新聞フィンテック参入に向けた銀行の出資規制緩和の記事も国の調整といえるのかなと思い出したりもしました。

 

 

ここまで読んでみると序盤で出てきた金融資本の需要と供給についての恒等式を軸に論が展開されていることに気付きました。専攻の法律の勉強の中でも実感したことですが、現在地の把握は大切ですね。

 

そして次回でこの本について完結する予定ですが、次に読みたい本がまだ届かない、、、

 

夢の毎日投稿がこんなにはやく散ってしまうのか、、、

 

あゝ無常。

 

 

以上です!

 

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