温故知新ブログ

大学生の読書日記・勉強日記

『競争と公平感』を温める

どうも、温故知新ブログです。

 

 5月は経済学を中心に勉強することに決めたのでお付き合いください、、、

 

今回は温めるのは『競争と公平感 市場経済の本当のメリット』大竹文雄著です。

 

個人的に印象的だった部分を書いていこうと思います。 レベルが低いと思われた方は私は法学部で経済学は初学者であることを割り引いていただければと思います笑☺️

・情報の非対称性 

・市場競争のメリット

・平等は生まれながらに持つ価値観か

・日本で高いのは相対的貧困率

 

まず 情報の非対称性についてです。本書の中で「商品を購入する側が商品に関する正しい情報を持たない場合、売り手には不良品を高く売るインセンティブが生じる。一方で消費者は不良品を買わされることを恐れてしまう。」とあり、よって市場が縮小(失敗?)するとのことでした。確かにその通りだなぁと思いました。基本的に損をしたくないという負の心理(生の心理より強い)が働きますもんね。

ただ情報が多様化・複雑化する現在において、情報面のカバーを売り手に一存することも現実味がない気もしました。情報リテラシーの低い人たちにどこまで掘り下げて説明するのか等の判断が困難だと思うからです。要するに消費者側も情報リテラシーを高める必要があるのかなぁと。ここでいう情報リテラシーはニュースなどに対して、提供された情報を鵜呑みにしないことに加え、得るべき情報が何かを判断できるレベルにまで高める必要があるのではないでしょうか。

 

次に市場競争のメリットです。「日本人は自由な市場経済のもとで豊かになったとしても格差がつくことを嫌い…中略…そもそも市場によって格差がつかないようにすることが大切」と日本人の世界的にも稀有な特徴を述べていました。個人的には市場経済に任せることで生じる(であろう)余剰を貧困層に再分配することに納得感がありましたが、どうやら著者の研究では異なるようで意外でした。(競争はしんどいという感覚には同意しますが笑)市場経済のメリットは上記の市場経済により競争を促進することで社会が豊かになるので、開いた格差に対して(貧困者に)余剰を再分配することができることです。

ただ現在の変化しつつある日本人の価値観を考えると、この市場経済に対する反発は少なくなるのではと考えます。例えば雇用制度を見ても、評価が年齢(格差がつかない)から能力(市場競争)へ移行する制度になりつつあります。今後市場競争の様相が高まるであろう時代に生きなければならないと思うと不安になるのが本音です、、

 

3点目平等は生まれながらに持つ価値観か。「利己主義か平等主義かという価値観は、教育や家庭環境によって形成されていく」と研究結果から示しています。また就学前の教育が影響すると加えています。平等という価値観は人類に普遍的な価値観であると思っていましたが(幼少期とはいえ)後天的に獲得される点は新たな発見でした。

平等を実現するためには上記に示したような所得の再分配などの政策が不可欠です。しかし何をもって平等なのかの基準が人によって異なると政策の実行も困難であると思いました。後述する貧困の感じ方も人それぞれで、貧しい人に手を施すことが平等であるという人もいれば、自由な競争環境があることが平等であるという人もいるでしょう。現状は後者を前提に、治安などを考慮した政策が行われているという印象です。また利己的な人間であることを前提にすることが多い経済学はこの不安定な基盤の上に成り立つのかなと疑問に感じました。行動経済学を学びたくなりましたね。

 

最後に日本で高いのは相対的貧困率について。知識としても肌感覚としても意外性はありませんでしたが、要するに「感じ方」に依拠する点で政策の立案が難しいと感じました。

最近ニュースにもなっている最低賃金引き上げの件もこの相対的貧困率の低下を目指す狙いもあるのかなと思いましたね。

 

 

何より「相対的」であることが国がある方向へ舵を切る際に頭を悩ませる根本要因なのかなと想像しました。まだまだ勉強不足でマクロ・ミクロ経済学を体系的に理解する必要があるなと実感しました。

※利便性のため本書のリンクを貼りたいのですが方法が分からなかったので、分かり次第更新しますね。

 

以上です!